アーカイブ 11月, 2012

京都府医師会 肺がん検診研修会

11月29日午後2:30~ 京都府医師会館にて

演題名 「肺癌検診読影のポイント」

投稿カテゴリ | コメントはありません12.11.29に投稿された記事

11月さいたま赤十字呼吸器カンファ症例

長い間、HP更新せず、カンファランスの症例報告をサボっておりました。何人かの先生からお叱りをいただき恐縮しております。今後は出来るだけサボらないように続けてゆく所存ですのでお許しください。先月のさいたま赤十字呼吸器の症例を解説いたします。

症例① 70歳代の左大量胸水貯留の医師。体調不良で疲れ易いと・・・。左上肺野にも軽い浸潤影り、胸部CTで観察すると抗酸菌特有の気道撒布病巣あり、画像からも結核と診断可能である。

 

 

症例② 50歳代女性 胸部CRでは左第一肋骨端の肋軟骨化骨部に重なる「かくれんぼ肺癌」症例。丁度、肋軟骨部の石灰化に腫瘍が重なると左右差のみで指摘可能であるが、時に生理的にもこの部の石灰化は左右差きたすこともあり、なかなか判断は困難なこともある。この症例も2年ほど前から見過ごされているが、このような症例は安易に「見落とし」とは表現せずに「見直し陽性」症例と表現するべきと思われる。

 

 

症例③ GISTで化学療法加療中の70歳代女性。右肺尖部の大きな不整な壁を有する空洞症例。1年前の胸部CRでは薄い壁のブラのみであることから、慢性壊死性アスペルギルス症の画像診断が可能な症例。

 

 

症例④ 24歳女性 胸痛と強度の咳あり。特発性の縦隔気腫の典型例。頸部まで気腫広がり触診で皮下気腫が診断可能な症例。

 

 

症例⑤ 30歳代男性 肺内に転移性腫瘍と思われる多発結節がびまん性に散在し、左肺門にも大きな腫瘤影を認める。縦隔腫瘍の肺転移から悪性胚細胞性腫瘍と考えられた。精上皮腫、非精上皮腫性胚細胞腫ともに比較的若年の男子に好発する。卵黄嚢腫瘍yolk sac tumorでは血清のAFP高値が94%で認め、β-hCG高値であれば絨毛癌を疑う。胎児性癌では両者の上昇を見ることが多い。提示された症例は生検で、卵黄嚢腫瘍と診断された。

胚細胞腫の覚え方「SECTE」seminoma,embryonal cell carcinoma,choriocarcinoma,teratoma,endoderumal sinus tumor(york sac tumor)

 

 

症例⑥ 75歳女性 2.3週前からの呼吸苦出現。両肺に索状の浸潤影出現する。胸部CTはびまん性のGGOやConsolidationの非特異的な陰影。薬剤性肺炎を否定するため問診するとオウゴンを含有する漢方薬の服薬開始との関連が疑われ、薬剤中止のみで陰影は消失した。慢性肝炎治療等の漢方薬による薬剤性肺炎も最近話題になることが多く、漢方だから副作用が無いなどと考えないようにしたい。また、次々と開発され発売される新薬を含め各々の薬品の副作用に関しての充分な知識は極め重要である。

 

 

症例⑦ 35歳男性 発熱あり。胸部CRでは右下肺野の濃厚なConsolidationあり、また左心陰影に重なる陰影も多少伴っている。胸部CRからは下葉の肺炎を疑うが、心拡大と胸水貯留も認める。CTではConsolidationは非区域性で末梢のsparingあり、この陰影の分布と両側胸水貯留から肺水腫による陰影と考えられた。精査により拡張型心筋症:DCMによる肺水腫と診断された。発熱と単純写真上のConsolidationの右下葉分布から、肺炎との鑑別に苦慮した症例であるが、CT所見は比較的定型的な肺水腫の画像と考えた。

 

 

症例⑧69歳男性。Adult Still病で加療中に咳嗽出現する。胸部CRでは散在する斑状影程度であまりはっきりした陰影ではないが胸部CTは多発する空洞、限局するGGO、きれいなreversed halo signを認める。血管肉腫の転移や侵襲性アスペルギルスを疑う画像である。しかしreversed halo signを呈する日和見感染としては、アスペルギルスよりもムコールによる肺感染でより多くみられると最近は報告されていることがカンファランスで強調された。また気管支鏡直視下でも気管支粘膜に限局的潰瘍病変が見られた。最終診断は気管支鏡生検にてアスペルギルスが証明された。気管支鏡観察で気道粘膜病変を観察できたアスペルの報告は見たことあるが、ムコールではこのような中心気道に粘膜潰瘍を伴うことはあまりなさそうですが文献的にはいかがでしょうか?

投稿カテゴリ | コメントはありません12.11.21に投稿された記事

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