アーカイブ 9月, 2011
東京保険医協会画像読影会
第2回 9月22日(木) 午後7時30分~午後9時30分
東京都新宿区西新宿3-2-7 KDX新宿ビル4階
TEL03-5339-3601 FAX03-5339-3449
「誰にでも分かる肺結核の画像診断」
9月さいたま赤十字病院呼吸器カンファは台風のため中止
来月の開催は10月19日(水)の7時からを予定しております。
帝京大学キャンサーボード報告
9月20日(火) 病理学教室顕鏡室 18:00
2症例の検討がなされた。
症例① 透析と貧血きたしている胸痛患者で、胸部単純写真は右上縦隔の著明な突出あり。側面では胸骨後部透亮帯を埋め、前縦隔腫瘍を疑わせる所見である。CTで観察すると前縦隔中心に広く進展する縦隔の浮腫・炎症様所見あり。またその前縦隔病変の一部に高吸収な血腫と思われる部位も認める。明らかな腫瘍とする病変はなし。経過のCTでは両側胸腔にも出血進展してきており、救命目的で開胸術となる。前縦隔内には明らかな腫瘍はなく、大きな血腫を切除する。血腫の病理検体内に一見腎癌のclear cellを思わせる病巣(径1cm強)を認める。免染で上皮系のマーカーは全て陰性であり、腎には腫瘍なく転移は否定された。免染の所見等から病理学的に異所性の副甲状腺腫と診断され、その破裂に伴なう縦隔出血を来たしたものと診断された。術前に存在した高カルシュウム血症が、なぜか術後に低下したのか・・??に対する解答が得られた極めて珍しい症例であったが、同様の異所性副甲状腺腫からの縦隔出血の症例報告は一例だけ検索により見つけることが出来たとのこと・・・。
症例② 皮膚筋炎に胸腺腫が合併した症例。胸腺腫に対して放射線治療がなされているが、現在は胸膜播種を来たしており、DMという患者の状態を勘案し、胸腺腫の胸膜播種に対する治療に関して討議がなされた。化学療法を考えるよりは外科的な切除と放射線治療を組み合わせた療法を考えて進めてゆくべきではないかという結論。
症例③ 石綿肺と石綿プラークの症例に、LCNECによる著明な縦隔肺門リンパ節腫大来たした症例。放射線照射後の急性増悪した間質性肺臓炎にステロイドパルス療法を施行し、良好な結果が得られている。もともとの石綿暴露による肺の線維化が肺底区胸膜下を中心に存在しており、これに放射線照射が加わり、照射野以外にも強い反応が出たものと考えた。
品川カンファ報告
新しく4名の若い放射線科医が参加された。栗原先生から防水スプレー吸入による肺障害の症例が提示された。私のTFにある2症例も提示し比較したが、極めて類似した画像を呈していた。強い呼吸苦を訴えているにもかかわらず胸部単純はほぼ正常所見で、CTでは上肺野優位の均一なすりガラス陰影がほぼ全肺野にひろがり、胸膜下sparingもみられる。
次回の品川カンファランスは10月11日(火)7:00よりMS.CHEST事務所で開催になります。
9月品川カンファのお知らせ
9月の品川カンファランスはMS.CHEST事務所にて第二週の火曜日13日に行います。参加希望者は遠慮なくご参加下さい。
第7回Chest Imaging Forum症例報告
2011年9月7日(水)19:00~21:00 聖路加国際病院2Fトイスラー記念ホール 当番世話人 佐藤雅史 岩澤多恵
教育講演「肺の大きさについて」岩澤多恵先生講演
要旨 IPF/UIPの肺容積減少は年率で7%程の割合で進行し、肺容積減少が50%以下になると1年以内に死亡する。肺容積の経時的変化の評価には、CTよりも単純写真による観察の方が有用かつ容易である。最近話題の喫煙関連肺線維症CPFE/ASEFの症例では、進行性の肺容積減少はほとんどないが、肺高血圧症と肺癌の合併は非常に高いタイプの線維症である。
よくまとまった大変に勉強になったミニレクチャーでした。
一般演題 「網状影を呈した症例」
症例①小葉間隔壁肥厚伴なうびまん性陰影。縦隔リンパ節の石灰化を伴なう腫脹を伴っている点が診断のKey pointとなる症例。診断はアミロイドーシス。点状のリンパ節石灰化はかなりこの疾患に特有の所見と考えられた。
症例② 肺水腫様の肺門周囲にひろがる陰影と心嚢液または心筋症を思わせるぼってりした心拡大の症例。CTでは空洞もあり下肺野では胸膜下の収束性変化伴なう索状影もみられ慢性のPCPとしても矛盾しない変化であるが・・・。HIV感染にともなうPCPと心筋症の症例、AIDS患者の3~8%に心筋症が合併すると報告されているそうです・・!
症例③ 慢性のびまん性嚢胞性変化をきたした症例。右頚部肩関節周囲の軟部腫瘤も胸部単純PAに描出されている。CTではひしゃげた嚢胞でいわゆるMickymouseの耳様の変化からLCH疑うが病変は肺底区まで広がる。軟部の生検ではErdheim-Chester病、肺の生検ではLCHとのことで両者の合併の報告は知られているとのこと。骨シンチでは典型的な長管骨の対称的な取り込みあり、E-C病に一致する所見である。
症例④ 両肺尖部の嚢胞伴なう全肺野にびまん性の浸潤影。画像からは典型的なCystic fibrosisの所見である。遺伝子的に証明されており、日本人ではめずらしいが30例以上の症例報告あり。
症例⑤左下肺の淡いすりガラス影と縦隔リンパ節腫大あり。伝染性単核球症に伴なう咽頭の白苔伴なう腫脹や脾腫もみとめる。CTでは軽度のウイルス性肺炎として矛盾しない所見と考えられた。
症例⑥~⑧ 縦隔境界面に関する教育的な症例としてアカラシアや食道癌、縦隔脂肪腫・脂肪肉腫併発の症例提示がなされた。
次回の第8回 CIF は2012年1月25日(水)で当番世話人は佐藤秀一先生と佐藤雅史
第9回は2012年4月25日(水)で、楠本先生と佐藤雅史になります。ミニレクチャーはそれぞれ第8回は佐藤秀一先生、第9回は楠本先生担当になります。
リウマチ医のための画像診断研究会
平成22年9月9日(木) 19:00~ 場所:ニューウエルシティー出雲
特別講演 「リウマチ医も知っておきたい胸部画像診断のポイント」
第7回Chest Imaging Forum
2011年9月7日(水)19:00~21:00 聖路加国際病院2Fトイスラー記念ホール 当番世話人 佐藤雅史 岩澤多恵
教育講演「肺の大きさについて」岩澤多恵先生
一般演題 「網状影を呈した症例」
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