7月帝京大学CG
症例① 右上葉の小型腺癌の症例。画像所見は胸膜付近のスピクラ伴なう腺癌として矛盾しない症例である。下葉にも陳旧性の肉芽腫性変化あり。問題点は上葉内の数ミリの粒状影をひとつ認め、これが病理的に肺内転移pmの可能性が疑われた。原発巣も組織学的にSCCと診断されている。病理側から腫瘍壊死のgoast cellとする所見無くpm(+)とはとてもいえない。原発も一部SCC様組織あるも全体では腺癌の組織型でよいと述べられた。
症例②両側肺尖部に、画像からは典型的な真菌球形成型のアスペルギローマの症例であるが、右肺尖のアスベルギローマ病変に接して頭側に腫瘤影もあり、CTガイド下生検で小細胞癌と診断された。病理側より小細胞とするには少し問題あり、以前にはintermediate cell typeと分類されていたものに近くLC-NECはじめとした未分化癌の判断は病理所見からの統一的な診断見解を得ることの困難さが述べられている。腫瘍マーカーもPro-GRP,CEAともに上昇が見られた。また小細胞癌に対する化学療法と平行して予防的な抗真菌薬の投与がなされていいるが、その是非と今後のアスペルの治療に関しても討論がなされた。
症例③多彩な画像所見の症例であるが、基本はランダム分布から肺転移と考えられる両肺のびまん性に散布する粒状影と右下葉の胸膜下に帯状に広がる容積減少伴なうコンソリデーションよりなる。そのほかにも細気管支周囲の線維化、間質性肺炎・肺線維症、すりガラス陰影等も経過で出現している。問題点は洗浄液からクリプトが見つかり、右下葉S8のTBLBからmucinous carcinomaの可能性も否定出来ないとのコメントあり。びまん性粒状影が転移なのかクリプトの散布なのか・・・・?また今後VATSを行う際の生検部位に関しても、S8のコンソリデーション部ではなく散布する粒状部の生検の方が悪性腫瘍の診断には役立つという・・・!! 病理からのアドバイスあり。
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