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2月20日(水曜日)19:00~ 開催予定です。

2月12日火曜日 19:00~ MS.CHEST事務所にて

栗原先生より興味深い症例が提示された。両肺に広範囲に広がるびまん性陰影で、胸部CTは典型的な急性好酸球性肺炎の画像に一致する斑状GGAと強い小葉間隔壁の肥厚像が広がる。しかし中高年の男性で初めての喫煙とは考えにくい。もちろんそのような既往もない。何と殺虫剤バルサンの煙の吸入により発症した呼吸困難とのことでした。好酸球数の増加は確認されていない・・。防水剤や金属蒸気そしてテフロン加熱によるポリマーフュームなどなどいろいろの吸入による肺傷害の画像をみてきたが・・・・。

13.01.31
09:40.PM

中皮腫の耳学問

本日の環境庁石綿会議の約50の中皮腫症例は、比較的典型的な画像例が多く、早めに終了することができた。その中で大変に画像所見が興味深かった1症例を報告したい。不規則な斑状の石灰化が、層状に瓦礫の石を積むように肺尖から肺底区まで不整に進展した肉腫型中皮腫の1例である。病理学的には石灰化ではなく骨化・骨形成とのことです。稀ながら骨形成性の中皮腫が知られており、今までにも数例の経験はあったが・・・今回のような広範囲にびまん性に広がる骨形成性の中皮腫を見たのは初めてである。病理学的には骨肉腫との鑑別がしばしば困難で、画像所見で肋骨等の骨組織と非連続であることを確認することも重要になる。subtypeは全て肉腫型で、上皮型や二相型では見られない。この興味深い症例のCT写真をお見せすることが出来なくて残念・・・。

今年初めての神田塾は、1月23日(第三週の火曜日)19:00~ 神田e-site health会議室で開催します。今年もどうぞ宜しくご協力のほどお願い申し上げます。

1月16日水曜日 さいたま赤十字病院カンファランス室 19:00~

5症例が提示された。簡単に報告する。

症例① 25歳 男性 検診発見症例 右肺尖に3cm程度の腫瘤影とブラ形成あり。CTにて肺尖部ブラと腫瘤内に空洞形成あり。気道撒布影は見られないが散在する小斑状影はある。気管支鏡で抗酸菌は証明されたが、結核とMACはPCRで陰性。まだ抗酸菌のタイプは検査中で、同定されていない。

 

症例② 60歳代 男性 検診発見の右肺の腺癌。HRCT所見のすりガラスの分布や病変辺縁部の小結節、葉間の肥厚部の形態等がやや非定型的と思われた。

 

症例③ 70歳代 女性 MAC症で経過観察中に突然の呼吸苦出現する。胸部写真では胸膜癒着と右肺門やや目立つ程度。CTでは著明な右心系・主肺動脈の拡張あり。単純CTでも高吸収域の肺動脈内血栓を指摘可能な症例であった。突然の呼吸苦では画像に著変ない時はまずPTEを疑うことが強調された。下肢静脈内にも血栓が証明された。

 

症例④50歳代 男性 検診発見 左下肺野に索状影の集簇あり。AVM等による異常血管影か気管支内粘液栓を疑う所見である。CTでは両肺3箇所に多発する粘液栓g認められ、粘液栓の一部は著明な高吸収を呈しており、定型的なABPAの画像と診断可能である。末梢血の好酸球数12%、BAL液中も好酸球が著増しており、ABPAとし矛盾しないが、糸状菌含めアスペル等の真菌は認められていない。また本症にみられる粘液栓の高吸収は真菌のアミノ酸代謝により生じるマンガン・鉄等によることが述べられた。これはMRIのT2WIで副鼻腔のアスペル病変が無信号化する原因と同一と思われる。検診で発見されるABPAはめずらしいが、問診するとステロイド剤の吸入療法歴はある。

 

症例⑤ 60歳代 男性 冠状動脈バイパス術後の退院前に右胸水やや増量し穿刺排液後に進行する右肺Consolidationと両側胸水の増量あり。肺炎等の治療に反応なくステロイドパルス療法施行し著明な改善を認めた症例。原因不明の急性呼吸不全

1月9日水曜日 19:00~ 病理検鏡室にて2症例の検討が行われた。ともに胸部単純写真が興味深い症例であった。

症例① 60歳代 女性 胸部単純では頸軟部に左右差あり、右胸鎖乳突筋影の消失と右肺尖部の淡い透過性の低下域から前頚部の軟部腫瘍の存在を疑った。しかしCTでは、胸壁背側の肋間に存在する内部が低吸収の腫瘍が描出され、MRの所見は造影にて多房性の壁が比較的厚く強く造影されていた。切除され軟部の粘液腫Myxomaと診断されたが、脱灰処理を行っているために、詳細な病理診断は難しいという点も述べられた。石灰化や骨化がCTで認められない組織であることが術前に分かっていれば、切除標本の脱灰処理は省いてもよいのではないかと思われる。その後、頸部腫瘤を自覚するようになり生検にてfolicular lymphomaと診断された。その際の胸部CTで第11胸椎椎体前面に巻きつくように存在する軟部影あり。PETでは頸部とこの椎体部のみに集積が認められた。これがlymphomaかmyxomaの転移かの判断が問題となったが、MR,PETの画像所見からもmyxomaの可能性は否定的と考えられた。また濾胞性リンパ腫では、椎体部病変の生検よりも骨髄生検によるStagingを優先することの重要性が強調された。

 

症例② 40歳代 男性 30歳代で右下葉の腺癌StageⅠAの切除歴あり。その際の胸部写真では右肺底区に8mm大の一見すると硬化性結節か肋骨の骨島のように判断してしまう様な境界明瞭な結節影であるが、CPangleに淡い浸潤影を伴っている。切除後の評価では、EGFR陰性、ALK陽性の腺癌で、CPangleに存在した淡い陰影は腫瘍による肺動脈閉塞に伴う梗塞病巣と判断された。術後4年目に、縦隔リンパ節転移著明にてザーコリン(クリゾチニブ)投与開始する。経過は良好であったが呼吸苦出現し造影CTにて肺動脈血栓塞栓症と診断された。下肢静脈内にも血栓あり、ザーコリンの副作用の可能性や今後の血栓の治療の継続と抗がん剤の選択等に付き議論された。ALK陽性肺癌の抗がん剤として、アリムタに有効性があるとする報告が紹介された。

新年あけましておめでとうございます。今年の第一回目の品川カンファランスは早めに切り上げて8時頃には自宅居間において新年会を開催いたしました。大久保裕雄先生が今回のカンファで提示された症例の画像を紹介いたします。たしか・・・無症状でしたが、このCRのどこが異常所見か指摘できますか?

 肺動脈瘤CR

今月は9症例の画像を中心とした症例討議が行われた。簡単に症例の解説を試みる。

症例① 20歳 女性 高熱 何種類かの抗生剤(フロモッコス、クラビットなど)が2週ほど投与されていたが反応せず、胸部写真撮影し異常影で紹介。胸部写真は右上葉の小葉間裂できれいに境されたConsolidationとGGOで典型的な肺炎像。CTも同様の所見で気道変化は目立たない。血清学的にマイコプラズマ肺炎と診断されたが、抗生剤に対して耐性を有するマイコプラズマ肺炎が増えているので注意!!画像はこれでマイコプラズマか?!というほどに気道・細気管支病変がなく肺胞性肺炎のパターンで画像からの細菌性肺炎との鑑別は困難であった。このようなair space consolidationを来たすマイコプラズマ肺炎は成人には稀で、若年者層ではしばしば見られる。細胞性免疫の関与によりCT画像が異なってくると考えられている。

 

症例②60歳代 男性 外傷性骨折で入院時の胸部写真で異常指摘。画像は典型的は左上葉無気肺像であるが、無症状で偶然に発見が珍しい、左上葉気管支発生の扁平上皮癌。N0でありsleeve resectionの可能性に関して検討された。

 

症例③ 60歳代 男性 健診で見つかった右肺尖の浸潤性陰影。単純写真からも活動性TBと思われるが、他院で抗生剤治療が4週間施されている。改善ないため紹介来院し胸部CT施行。右S1,2に数個の結節と周囲に散在する細気管支粒状影がびっしりあり。画像からは鑑別必要としないほど典型的な結核症・抗酸菌感染と診断可能と思われたが、気管支鏡検査で結核菌を証明している。

 

症例④ 60歳代 女性 慢性間質性肺炎で少量持続副腎皮質ホルモン剤服薬中の患者。毎月胸部写真を撮影している。右下肺野内側に結節影現れる。「見直し陽性例」肺癌症例、NSEやや高値で未分化癌と思われる。胸部CTでは気腫性線維化で喫煙者肺に一致する。このタイプの線維化は肺癌の合併が多いので注意を要するが・・・毎月1回の撮影は頻度が多すぎて却って観察注意がおろそかになる可能性が指摘された。半年ほど前のCTでは気腫性嚢胞壁に数ミリの点状影ありこれが大きくなったものと推察された。

 

症例⑤ 60歳代 女性 健診発見の胸部異常影。 典型的な気管支拡張伴う中葉無気肺の中葉症候群に抗酸菌症の合併したもの。胸部CTでは中葉外にも細気管支病変・小葉中心性肉芽腫や空洞も広がっていたが無症状であった症例。

 

症例⑥ 70歳代 女性 健診発見無症状 心拡大と左肺門の軽度拡張傾向程度で有意な所見は不明であるが、下行大動脈の肺門レベルで走行が追えない部分あり。胸部CTでは上中縦隔に累々とリンパ節腫大あり。左下葉S6の部分的な無気肺も見られた。US観察下の気管支鏡生検でリンパ節と無気肺部の両方からサルコイドーシスの肉芽腫として矛盾しない組織が得られた。サルコのリンパ節腫大では無気肺を来たすことは稀。サルコのリンパ節は軟らかいために、気管支閉塞は起りにくいといわれている。この症例の無気肺がサルコによるものとは、たとえ組織でサルコイド肉芽腫が証明されても、考えにくいと思われる。

 

症例⑦ 70歳代 男性 ワーファリン服薬中の患者。喀血を主訴に来院。右下肺野に境界明瞭な空洞伴う腫瘤影あり。内部にはニボーを形成している。経過で内部は均一な充実性に見える腫瘤に変化。胸部CTでは小葉間裂に存在して臨牀情報および経過と画像から葉間血腫と思われた。ほぼ同一の画像所見を呈した自験例あり、そちらは喀血はないが、新たに出現した結節影のため、腫瘍を疑い切除し小葉間裂に存在する血腫と診断した。

 

症例⑧ 70歳代 男性 大量持続性喀血 胸部単純は左上肺野外側にGGOの広がりあり。他にも淡い斑状影が疑われる。胸部CTでは全肺野に散在するGGOと一部中心に索状影や不整小結節を伴っている。画像からは血管肉腫の転移か血管炎を疑う、診察により右頸部に腫瘤あり、生検にて易出血性であったが何らかの悪性軟部腫瘍:肉腫として矛盾しない組織が得られた。通常は頭皮の血管肉腫からの転移が多い。皮膚の血管肉腫転移巣の画像は肺野結節と嚢胞形成に周囲を取り巻くすりガラス影の広ろがりが特徴的で、CT画像から診断可能な疾患である。本症例は喀血のコントロール困難で死亡している。剖検がなされ最終病理診断を待っている。

 

症例⑨ 60歳代 女性 結核の治療歴あり。胸部単純は典型的な上葉無気肺の画像であるが、慢性に経過し陳旧性の瘢痕性無気肺とされている。発熱・WBC増加等の炎症症状出現し、胸部写真では右上葉無気肺部の増大あり。気管支鏡検査で上葉気管支より膿性痰が多量流出するのが観察され、細菌感染を来たしたものと考え、陳旧性無気肺に合併した肺膿瘍と診断された。

昨日は年末の忙しいなかお集まりいただき感謝しております。栗原先生からHIV治療に関する興味深い症例提示がありました。呼吸器診断の画像と臨牀情報の組み合わせの重要性を再認識した症例提示でした。AIDS患者に合併したPC肺炎症例ですが、ほぼ全肺野のGGOの広がりで、CT所見はそれに加えてびまん性に広がる強度の牽引性気管支拡張と下肺野肺底区の索状の板状無気肺所見。HAART療法後に出現した、感染兆候と両側上肺野の浸潤影から・・・何を考えるか??

免疫再構築症候群でした。 IRS と Kapsosi IRS←興味ある方はこちらをクリックしてくださいKaposiの論文は下野太郎先生から送っていただきました。。

11月29日午後2:30~ 京都府医師会館にて

演題名 「肺癌検診読影のポイント」

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