8月新宿チェストカンファ報告
興味深い症例に関して報告します。
症例① 慶応大杉浦先生提示 40歳代女性 検診発見例
胸部単純では右肺門影がやや目立つ程度。CTは右肺門に絡みつくような蛇行した小血管がうねうねと見られた。一見、蔦状気管支動脈瘤様であるが気管支動脈自体は大動脈分岐から拡張は見られない。注意してみると右下葉の肺静脈が左房に入る手前で途絶しているため、右上肺静脈流入への副側路として発達しており、そのため右肺門影が腫大して現れていたものであった。診断名は、anomalous unilateral single pulmonary veinとのことでした。初めて聞いた病名でしたが、杉浦先生いわく「ゴマンとある疾患で珍しくはない!!」そうですが・・・・(眉唾)
症例② がんセンターから右上肺野の索状影を呈した腺癌を提示された。単純だけだと瘢痕との鑑別が難しく、CT指示をするか、しないかが問題となった。
症例③聖マ医大から右上葉に限局した癌性リンパ管症の症例提示、病変部のみ見れば癌性リンパ管症の診断に問題ないが、リンパ管症が局在することはないと考えてしまうと、他の疾患の方を疑ってしまうが・・?乳癌の転移ではfocal lymphoangitisの頻度は高く、それ程まれではないとの意見がありました。
症例⑤社保中Hpより以前も見せていただいた大変に難しい症例。耳下腺MALT腫の既往あり、生検で肉芽腫あり結核の治療を受けている。リンパ腫とのことでしたが、EB関連のLYGの可能性が高いと思われたが・・?
症例⑥杏林大から両下肺野のすりガラスとコンソリデーションの混在した無症状の症例。T-markerは全てnegativeでしたがLDHは上昇。EGFR negativeの肺葉進展型腺癌でした。
症例⑦JR総合Hpからステントの薬剤が原因の薬剤性肺臓炎ではないかと考えたびまん性陰影の症例。画像からの診断は難しいが、慢性経過のPCPのようにも見えた。
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