1月さいたま赤十字病院呼吸器カンファ症例報告
1月16日水曜日 さいたま赤十字病院カンファランス室 19:00~
5症例が提示された。簡単に報告する。
症例① 25歳 男性 検診発見症例 右肺尖に3cm程度の腫瘤影とブラ形成あり。CTにて肺尖部ブラと腫瘤内に空洞形成あり。気道撒布影は見られないが散在する小斑状影はある。気管支鏡で抗酸菌は証明されたが、結核とMACはPCRで陰性。まだ抗酸菌のタイプは検査中で、同定されていない。
症例② 60歳代 男性 検診発見の右肺の腺癌。HRCT所見のすりガラスの分布や病変辺縁部の小結節、葉間の肥厚部の形態等がやや非定型的と思われた。
症例③ 70歳代 女性 MAC症で経過観察中に突然の呼吸苦出現する。胸部写真では胸膜癒着と右肺門やや目立つ程度。CTでは著明な右心系・主肺動脈の拡張あり。単純CTでも高吸収域の肺動脈内血栓を指摘可能な症例であった。突然の呼吸苦では画像に著変ない時はまずPTEを疑うことが強調された。下肢静脈内にも血栓が証明された。
症例④50歳代 男性 検診発見 左下肺野に索状影の集簇あり。AVM等による異常血管影か気管支内粘液栓を疑う所見である。CTでは両肺3箇所に多発する粘液栓g認められ、粘液栓の一部は著明な高吸収を呈しており、定型的なABPAの画像と診断可能である。末梢血の好酸球数12%、BAL液中も好酸球が著増しており、ABPAとし矛盾しないが、糸状菌含めアスペル等の真菌は認められていない。また本症にみられる粘液栓の高吸収は真菌のアミノ酸代謝により生じるマンガン・鉄等によることが述べられた。これはMRIのT2WIで副鼻腔のアスペル病変が無信号化する原因と同一と思われる。検診で発見されるABPAはめずらしいが、問診するとステロイド剤の吸入療法歴はある。
症例⑤ 60歳代 男性 冠状動脈バイパス術後の退院前に右胸水やや増量し穿刺排液後に進行する右肺Consolidationと両側胸水の増量あり。肺炎等の治療に反応なくステロイドパルス療法施行し著明な改善を認めた症例。原因不明の急性呼吸不全。
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