1月帝京大学キャンサーボード報告
1月17日病理顕鏡室にて6時より開催された
症例① 78歳男性 大動脈瘤に対する弓部置換術後に肺炎合併した。その2ヵ月後に左上葉に2cm程度の結節出現するもWBC20.000、CRP5~7あり肺膿瘍疑いで観察していた。12月に1週間ほどで6.5cmと急速に増大する。CTガイド下生検では悪性所見なし。造影CT画像等からも薬剤耐性肺膿瘍と判断して部分切除したところ病理では中心部に膿瘍形成した肺癌で旧分類では巨細胞癌とされていたような多形癌pleomorphic carcinomaと診断。腫瘍は腫瘤塊の表面にのみ存在し中心部は強度の壊死で膿瘍形成としても矛盾はなしとのこと。どのようなタイプの低分化腫瘍であれ腫瘍細胞増殖だけではこのような腫瘍径の増大速度の説明がつかないと考えられたが、切除標本の解析にて膿瘍/腫瘍内出血等の合併があったための急速増大とし納得できた症例。
症例② 63歳男性 肺尖部肺癌(EGFR遺伝子変異 腺癌)のびまん性肺内転移の症例。イレッサ治療中に髄膜炎症状出現し、MRでは脳転移以外にもf癌性髄膜炎として矛盾しない所見が最終的に得られたが、髄液細胞診と造影MRの所見の分析の困難さが指摘された。またタルセバがEGF mutation腺癌の癌性髄膜炎に有効とする報告があるため試みるも、呼吸不全にて死亡する。
症例③ 80歳 女性 大量の右胸水あり。胸水ドレナージ後の進展後の肺内に2箇所の腺癌として矛盾しない結節あり。CT検査にて大腸癌の合併も見つかる。病理学的には生検標本から、同じ腺癌でも全く細胞形態が異なり、転移ではなく重複癌と考えられた。
12.01.18に開催のイベント
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