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第2回東山梨呼吸器疾患連携の会
10月13日19:00~20:30
フルーツパーク富士屋ホテル 2階プリマビェーラ
「胸部疾患の読影の基礎」
誰にでも分かる!肺結核の画像診断
10月12日(水) 19:00~21:00
鎌倉生涯学習センター3階 第五集会室
対象:医療従事者(医師、放射線技師、看護師等)
10月品川カンファランスのお知らせ
10月11日19:00 MS.CHEST事務所にて
奮ってご参加ください。
大宮医師会肺癌読影会
10月5日19:30 大宮医師会
東京保険医協会画像読影会
第2回 9月22日(木) 午後7時30分~午後9時30分
東京都新宿区西新宿3-2-7 KDX新宿ビル4階
TEL03-5339-3601 FAX03-5339-3449
「誰にでも分かる肺結核の画像診断」
9月さいたま赤十字病院呼吸器カンファは台風のため中止
来月の開催は10月19日(水)の7時からを予定しております。
帝京大学キャンサーボード報告
9月20日(火) 病理学教室顕鏡室 18:00
2症例の検討がなされた。
症例① 透析と貧血きたしている胸痛患者で、胸部単純写真は右上縦隔の著明な突出あり。側面では胸骨後部透亮帯を埋め、前縦隔腫瘍を疑わせる所見である。CTで観察すると前縦隔中心に広く進展する縦隔の浮腫・炎症様所見あり。またその前縦隔病変の一部に高吸収な血腫と思われる部位も認める。明らかな腫瘍とする病変はなし。経過のCTでは両側胸腔にも出血進展してきており、救命目的で開胸術となる。前縦隔内には明らかな腫瘍はなく、大きな血腫を切除する。血腫の病理検体内に一見腎癌のclear cellを思わせる病巣(径1cm強)を認める。免染で上皮系のマーカーは全て陰性であり、腎には腫瘍なく転移は否定された。免染の所見等から病理学的に異所性の副甲状腺腫と診断され、その破裂に伴なう縦隔出血を来たしたものと診断された。術前に存在した高カルシュウム血症が、なぜか術後に低下したのか・・??に対する解答が得られた極めて珍しい症例であったが、同様の異所性副甲状腺腫からの縦隔出血の症例報告は一例だけ検索により見つけることが出来たとのこと・・・。
症例② 皮膚筋炎に胸腺腫が合併した症例。胸腺腫に対して放射線治療がなされているが、現在は胸膜播種を来たしており、DMという患者の状態を勘案し、胸腺腫の胸膜播種に対する治療に関して討議がなされた。化学療法を考えるよりは外科的な切除と放射線治療を組み合わせた療法を考えて進めてゆくべきではないかという結論。
症例③ 石綿肺と石綿プラークの症例に、LCNECによる著明な縦隔肺門リンパ節腫大来たした症例。放射線照射後の急性増悪した間質性肺臓炎にステロイドパルス療法を施行し、良好な結果が得られている。もともとの石綿暴露による肺の線維化が肺底区胸膜下を中心に存在しており、これに放射線照射が加わり、照射野以外にも強い反応が出たものと考えた。
品川カンファ報告
新しく4名の若い放射線科医が参加された。栗原先生から防水スプレー吸入による肺障害の症例が提示された。私のTFにある2症例も提示し比較したが、極めて類似した画像を呈していた。強い呼吸苦を訴えているにもかかわらず胸部単純はほぼ正常所見で、CTでは上肺野優位の均一なすりガラス陰影がほぼ全肺野にひろがり、胸膜下sparingもみられる。
次回の品川カンファランスは10月11日(火)7:00よりMS.CHEST事務所で開催になります。
9月品川カンファのお知らせ
9月の品川カンファランスはMS.CHEST事務所にて第二週の火曜日13日に行います。参加希望者は遠慮なくご参加下さい。
第7回Chest Imaging Forum症例報告
2011年9月7日(水)19:00~21:00 聖路加国際病院2Fトイスラー記念ホール 当番世話人 佐藤雅史 岩澤多恵
教育講演「肺の大きさについて」岩澤多恵先生講演
要旨 IPF/UIPの肺容積減少は年率で7%程の割合で進行し、肺容積減少が50%以下になると1年以内に死亡する。肺容積の経時的変化の評価には、CTよりも単純写真による観察の方が有用かつ容易である。最近話題の喫煙関連肺線維症CPFE/ASEFの症例では、進行性の肺容積減少はほとんどないが、肺高血圧症と肺癌の合併は非常に高いタイプの線維症である。
よくまとまった大変に勉強になったミニレクチャーでした。
一般演題 「網状影を呈した症例」
症例①小葉間隔壁肥厚伴なうびまん性陰影。縦隔リンパ節の石灰化を伴なう腫脹を伴っている点が診断のKey pointとなる症例。診断はアミロイドーシス。点状のリンパ節石灰化はかなりこの疾患に特有の所見と考えられた。
症例② 肺水腫様の肺門周囲にひろがる陰影と心嚢液または心筋症を思わせるぼってりした心拡大の症例。CTでは空洞もあり下肺野では胸膜下の収束性変化伴なう索状影もみられ慢性のPCPとしても矛盾しない変化であるが・・・。HIV感染にともなうPCPと心筋症の症例、AIDS患者の3~8%に心筋症が合併すると報告されているそうです・・!
症例③ 慢性のびまん性嚢胞性変化をきたした症例。右頚部肩関節周囲の軟部腫瘤も胸部単純PAに描出されている。CTではひしゃげた嚢胞でいわゆるMickymouseの耳様の変化からLCH疑うが病変は肺底区まで広がる。軟部の生検ではErdheim-Chester病、肺の生検ではLCHとのことで両者の合併の報告は知られているとのこと。骨シンチでは典型的な長管骨の対称的な取り込みあり、E-C病に一致する所見である。
症例④ 両肺尖部の嚢胞伴なう全肺野にびまん性の浸潤影。画像からは典型的なCystic fibrosisの所見である。遺伝子的に証明されており、日本人ではめずらしいが30例以上の症例報告あり。
症例⑤左下肺の淡いすりガラス影と縦隔リンパ節腫大あり。伝染性単核球症に伴なう咽頭の白苔伴なう腫脹や脾腫もみとめる。CTでは軽度のウイルス性肺炎として矛盾しない所見と考えられた。
症例⑥~⑧ 縦隔境界面に関する教育的な症例としてアカラシアや食道癌、縦隔脂肪腫・脂肪肉腫併発の症例提示がなされた。
次回の第8回 CIF は2012年1月25日(水)で当番世話人は佐藤秀一先生と佐藤雅史
第9回は2012年4月25日(水)で、楠本先生と佐藤雅史になります。ミニレクチャーはそれぞれ第8回は佐藤秀一先生、第9回は楠本先生担当になります。
リウマチ医のための画像診断研究会
平成22年9月9日(木) 19:00~ 場所:ニューウエルシティー出雲
特別講演 「リウマチ医も知っておきたい胸部画像診断のポイント」
第7回Chest Imaging Forum
2011年9月7日(水)19:00~21:00 聖路加国際病院2Fトイスラー記念ホール 当番世話人 佐藤雅史 岩澤多恵
教育講演「肺の大きさについて」岩澤多恵先生
一般演題 「網状影を呈した症例」
8月新宿チェストカンファ報告
興味深い症例に関して報告します。
症例① 慶応大杉浦先生提示 40歳代女性 検診発見例
胸部単純では右肺門影がやや目立つ程度。CTは右肺門に絡みつくような蛇行した小血管がうねうねと見られた。一見、蔦状気管支動脈瘤様であるが気管支動脈自体は大動脈分岐から拡張は見られない。注意してみると右下葉の肺静脈が左房に入る手前で途絶しているため、右上肺静脈流入への副側路として発達しており、そのため右肺門影が腫大して現れていたものであった。診断名は、anomalous unilateral single pulmonary veinとのことでした。初めて聞いた病名でしたが、杉浦先生いわく「ゴマンとある疾患で珍しくはない!!」そうですが・・・・(眉唾)
症例② がんセンターから右上肺野の索状影を呈した腺癌を提示された。単純だけだと瘢痕との鑑別が難しく、CT指示をするか、しないかが問題となった。
症例③聖マ医大から右上葉に限局した癌性リンパ管症の症例提示、病変部のみ見れば癌性リンパ管症の診断に問題ないが、リンパ管症が局在することはないと考えてしまうと、他の疾患の方を疑ってしまうが・・?乳癌の転移ではfocal lymphoangitisの頻度は高く、それ程まれではないとの意見がありました。
症例⑤社保中Hpより以前も見せていただいた大変に難しい症例。耳下腺MALT腫の既往あり、生検で肉芽腫あり結核の治療を受けている。リンパ腫とのことでしたが、EB関連のLYGの可能性が高いと思われたが・・?
症例⑥杏林大から両下肺野のすりガラスとコンソリデーションの混在した無症状の症例。T-markerは全てnegativeでしたがLDHは上昇。EGFR negativeの肺葉進展型腺癌でした。
症例⑦JR総合Hpからステントの薬剤が原因の薬剤性肺臓炎ではないかと考えたびまん性陰影の症例。画像からの診断は難しいが、慢性経過のPCPのようにも見えた。
品川チェストカンファランス
8月9日(火) 19:00より
MS.CHEST読影室
第三回池添メモリアルセミナー
東京保険医協会講演
第1回 7月21日(木) 午後7時30分~午後9時30分
「X線解剖からみた胸部画像診断の基礎」
帝京大学CB
第3回伊豆カンファランス
7月9日(土曜)6時半
場所:伊豆高原:Dr.Sato’s weekend house in Izu kohgen
第1回胸部レントゲン読影沼津カンファランス
第1回の今回は、放射線読影のスペシャリスト佐藤雅史先生をお迎えして、勉強会を行います。
つきましては、ご多用中とは存じますが、この機会に近隣の先生方もご参加していただければと思いご案内申し上げます。
記
日 時: 平成23年6月25日(土)15:00~
場 所: べっく・メディカル・クリニック
講 師: 佐藤雅史先生
参加費: 無料
主催 べっく・メディカル・クリニック
順天堂大学医学部付属浦安病院放射線科 第10回水無月会
総合健診学会精度管理委員会セミナー
6月さいたま赤十字病院呼吸器科カンファランス
6月の第五回品川カンファランスのお知らせ
6月7日19時よりMS.CHEST事務所にて開催予定です。時間の取れる方はふるってご参加ください。相談症例等ありましたらご持参ください。次回からは、遅くなりましたがDICOM等のデジタル画像での表示が可能となる予定です。
今回からカンファの前に興味深い症例を事前に提示しますので、回答はカンファの時に。2症例とも30歳代で、左症例は軽度の胸痛、右症例は検診発見です。
129回びまん肺疾患研究会報告
5月28日に大阪で行われたびまん肺疾患研究会に画像司会で参加してきたので提示された症例の画像を中心に簡単に報告解説する。
症例①両肺に多発性空洞性腫瘤を来たした75歳の男性。CT所見から下肺野優位の多発性の空洞性腫瘤で気腫性変化も目立っていた。Gaシンチで鼻腔と両側腎にuptakeもあり比較的典型的なWegener肉芽腫の症例で特に問題ないと考えた。初診時にアスペルの抗体・抗原(+)であった。Wegener肉芽腫としての治療により病変は著明に改善したが、80病日に左上肺野に浸潤影出現し、BAL液中にAspergilus nigerを証明し、抗真菌剤の治療となる。治療前のアスペルギルス抗体・抗原陽性の意義が強調された。
症例②びまん性すりガラス陰影を呈している長期鳥飼育歴有する67歳女性。この症例もCT画像からは鳥飼病による過敏性肺臓炎として矛盾は無いと考えた。特に下肺野の地図状のすりガラスと影と正常小葉のモザイクパターンに加え、正常小葉に見える部の小葉中心に点状陰影等は特徴的と思われた。NSIP,PCP等が鑑別にあげられるが臨床情報からは診断に全く矛盾はない。ANCAの上昇が見られたが、慢性・亜急性、または亜慢性過敏性肺臓炎抗原吸入での反応性ANCAの上昇はみられることがあるとのことでした。
症例③関節痛・発熱主訴の33歳、女性。CT所見は、上縦隔リンパ節腫大と胸膜下の斑状影や線状影からサルコイドが疑われた。両側下肢の間接にGaの取り込みあり。臨床的には典型的なレフグレン症候群と思われた。本邦ではまれなサルコイドの表現型であるが、北欧では頻度が高い。
症例④溶接工に見られたびまん性粒状影をていした72歳男性。単純で分かるびまん性陰影で一見サルコイドか粟粒結核を疑うがVATSでは溶接工肺の所見のみで粒状陰影の原因は分からなかった。下痢等の感染症状で初診しており、何らかのウイルス感染が粟粒影の原因であった可能性が指摘された。以前にさいたま赤十字のカンファでサリドマイド使用による粟粒影パターンの薬剤性肺炎の症例を思いださせる。その他、サルコであった可能性やリンパ増殖性疾患、hot tub lungの可能性などいろいろの意見が会場で聞かれた。
症例⑤びまん性肺疾患の急性増悪にて死亡した62歳男性。石綿肺に伴なう線維化に肺癌とサルコイドーシスが合併したと考えられた症例でした。
5月さいたま赤十字病院呼吸器カンファランス報告
5月18日19時より呼吸器カンファランスが開催され、研修医が多く参加し熱心な討議がなされら。
症例①53歳 女性 胸痛あり。単純写真は左下葉の浸潤影。肺炎の診断にて抗生剤治療すると臨床的な改善は見られたが、肺野陰影は2週間で急速に増大する。CT所見は病変がLLLに限局し結節、すりガラス影、コンソリデーションと多彩であるが、他の肺葉に全く異常なく、CRP0.3、WBC9200のデータよりクリプトコックスが最も疑われた。胸痛の症状をどのように説明するか疑問点であるが、画像的には、一葉内の多彩な多発性陰影よりクリプトの診断にあまり問題ないと考えられた症例である。
症例②59歳男性 アルコール依存症 単純で左肺尖部に大きな二ボー形成と左上中肺野に空洞性浸潤影、反対側右肺野にも気道散布様浸潤あり、画像も臨床データからも重症の結核を示唆されたが、肺尖の二ボーは結核空洞では液体貯留はまれなことより、感染性ブラの可能性が高いと考えられた。誘発喀痰でガフキー3号が照明された。
症例③60歳男性 左鎖骨と肋骨に隠れた、いわゆるかくれんぼ肺癌の症例。研修医は難なく指摘した。
症例④74歳女性 背部痛 発熱 教育的症例で典型的な間質性肺水腫症例。
症例⑤60歳男性 38度超える発熱 咳嗽 右下葉の浸潤陰影あるも濃い目のすりガラス影と言った印象。CTでは右下葉のすりガラスではなくコンソリデーション+右胸水貯留あり。CK上昇と肝腎不全併発よりレジオネラ感染に伴なう横紋筋融解症を併発したものと考えられた。日本では温泉入浴での感染が有名であったが、最近では梅雨時に泥をはねたトラックのエアコンを使用した運転手に発症する症例が多いことが報告された。また、臨床的に見当識障害などの精神症状や下痢など消化管を訴える点が強調された。
症例⑥60歳男性 発熱 胸部単純の陰影が興味深く右縦隔影の突出であるが、上行大動脈蛇行との鑑別が問題となった。直接にえない右縦隔線と左の大動脈弓を点で結ぶ<佐藤式・・・・法>が有用と紹介された。側面像で胸骨背部の透亮像が消えている点から前縦隔腫瘍と考えられた。MR所見にて良好に造影され中心に壊死伴なう点、また右胸水も伴い、胸腺癌と診断した。生検組織ではSCCであった。
症例⑦58歳男性 呼吸苦 肝機能障害GOT、GPT6000台と著明に高値。単純では著明な心拡大と右中等度胸水貯留あり。心不全疑う肺野の間質性肺水腫や蝶型陰影は全くなし。画像からは心嚢液貯留を疑い、胸水と心嚢液の組み合わせからSLE等の膠原病など鑑別にあげたが、心嚢液は血性で細胞診クラスⅤ胸水は黄色透明。心嚢ドレーン後は胸水は自然消失し左下葉に結節影現れる。肺癌の心膜転移に伴なう心タンポナーゼにより右心不全を起こし、そのための二次的な鬱血肝と胸水貯留と考えられた。興味深い症例。
症例⑧ 55歳女性 腰痛 CTで定型的な肺野のLAMの画像と大きな両側腎の血管筋脂肪腫あり。腰痛の原因として腎腫瘍のmicro-aneurysmのruptureと考えられた。
症例⑨20歳男性 CT所見で左S6とS1+2にまたがる葉間を貫くような浸潤影とすりガラス影あり。CEP:慢性好酸球性肺炎の特徴的画像と考えるが、末梢血の好酸球数増多は、正常範囲上限にとどまっていた。気管支鏡にてCEPと診断された。
新宿チェストカンファランス
4月13日午後7時より
社会保険中央病院 2階講堂
第51回臨床呼吸器カンファランス内容報告
3月10日 18時より明治記念館「蓬菜の間」で 「IG-G4関連肺疾患」のテーマで研究会が開かれた。
富山大学保健管理センター松井祥子准教授 : レクチャー「IgG4関連疾患-2011‐」
レクチャーに先立ち4症例の提示がなされた。詳細に関しては次回に小冊子が配布されると思われるので詳細はそちらを参考にしていただきたい。大変に興味を持たれるテーマなので参加者も多く熱心な討論もおこなわれて大変に勉強になりました。
提示症例①は画像的には典型的なMCD/IPLの所見として問題にならないと考えた。鑑別として無理やり上げればアミロイドーシスやサルコイドがあがるか・・・・?IL-6 10.3ngとCRP 3.3mgとこの両者の上昇があまり見られない点、およびステロイドに対する反応が弱いことが、臨床的にMCDとの重要な鑑別点となることが強調された。
提示症例②は自己免疫性膵炎、硬化性胆管炎有し、胸部画像は肺野多発結節でG4関連疾患の診断にはとくに問題ならないが、後天性血友病を発症しており、これも今までに報告例はないが、病因的にIgG4と関連して発症したと考えて矛盾はしないと述べられた。
提示症例③④はともに胸部画像的には問題あり、NSIP様とSmorker’s lungの画像所見でG4との関連性の有無は胸部画像からは困難であった。
松井先生のレクチャー前の提示症例に対するコメントととして、これら4症例は全てきわめてまれな発症形態とのことであった。レクチャーの内容で、私にとって印象的であったのは、①.MGHのgroupが本症に対する研究班をすでに立ち上げて、IgG4 related systemic diseaseの名称を使い初めているが、これは発信元である本邦のIgG4 related disease(IgG4関連疾患)と異なる病名である。②.50歳の年齢で前立腺肥大を呈する患者をみたらIgG4関連疾患を疑え!!③.AML等の悪性腫瘍や担癌患者に好発する。④.治療は自己免疫性膵炎に準じるがステロイド剤ははじめ30~40mg/dayで開始し漸減しながらも約3年間の維持療法を必要とする。⑤.診断基準にステロイド治療に良好に反応する点が含まれる。⑥.胸部の画像所見は大変に多彩でどんな陰影でも取り得る。
講演後の討議で、関東中央病院病理の岡先生が発言され、「IgG4関連疾患と皆さんが言う疾患概念は、いうなれば血沈亢進に対する血沈症候群のような病名であり、私は過去にこの病名を付けたことはない!今も用いていないし、これからも将来決して病理診断名として、この病名を用いることはないであろう!」と病理医の立場から述べられたが・・・・・。言うまでもなく、病理診断が全ての疾患の正確な最終診断では決してありえない。せめて「IgG4関連疾患と呼ばれる疾患群として矛盾しない。」程度の病理報告は将来的には必要ではないかと、私は思うが・・・?また、臨床医の立場からはステロイド剤の著効が、現在作成中の診断基準に含まれる点が大変に興味深い。以前に、さいたま赤十字病院のカンファで提示された症例は、PETで肺門部腫瘤・縦隔リンパ節と膵臓に多発のuptakeあり、がんセンターでsecond opinionまで受け、肺門部肺癌と膵臓転移と診断されていたが、IgG4関連疾患を疑い、ステロイド剤内服すると・・・・肺門部腫瘤・腫大縦隔リンパ節および膵臓多発腫瘤は全て消失してしまった。
第12回東京びまん肺疾患研究会 10月1日(土曜)9時30分より IgG4関連疾患をテーマに、松井祥子先生が当番世話人のもと開催されます。
神奈川肺癌・呼吸器研究会報告
日時:3月17日(木) 19:00
場所:神奈川がんセンターカンファランス室
東日本大震災で学会・研究会・カンファランスが次々と中止となるなか、地元医師会員に対する胸部疾患の啓蒙の目的の研究会が予定どうり開催された。横浜駅の相鉄線への乗り換えのエスカレーターで長い列が出来ていたが心配する電車の遅延はなく予定より早めに会場のがんセンターに到着した。がんセンター部長の山田先生が心配された様に、30分待っても医師会員の先生は何方も現れず・・・神奈川がんセンター研修医の先生方、数人に対する講演となってしまいましたが、皆さんに熱心に聴いていただき感謝しております。帰りは車を用意していただき、渋滞を心配して首都高速にのりましたところ・・・震災直後の大渋滞はなくガラガラの高速で、あっという間に品川の自宅に到着しました。
第49回埼玉呼吸器病研究会
開催日時:3月4日金曜日 18時45分
開催場所:大宮ソニックシティ603号室
講演は、「胸部画像診断のご法度 -他人の失敗・自分の失敗-」にいたしました。秀潤社から出版した「画像診断のご法度」の内容を中心にお話いたします。
さいたま赤十字病院呼吸器カンファランス報告
さいたま赤十字病院において定例の呼吸器カンファランスが開催された。今回は若干参加者が少なかったが、いつもながらの熱心な討議がなされた。
症例① 45歳 男性 胸単では、極めて軽微ながらほぼ全肺野の間質性陰影の広がりを認めた。とくに右上葉血管影の不鮮明化が目立ち、微小粒状影の存在が疑われ、右肺門部の軽度リンパ節腫大も示唆された。胸部CTも基本的に同様の所見であったが、KL-6が7693と極めて高値であり、KL-6がこれだけ著明に上昇するのは1.PAP:肺胞蛋白症、2.HP:過敏性肺臓炎3.PCP:ニュウモシスチス肺炎4.悪性腫瘍の4つに鑑別が絞れる重要な所見という意見があり、画像からもPCPとして矛盾はないと考えられた。血液検査にてHIV陽性でAIDSに合併したPCPと診断され、他院へ紹介となった。しかし、CT所見で全肺野のびまん性すりガラス陰影に加え、右肺尖の微細粒状陰影が目立つ点と所属リンパ節の軽度腫大よりPCPに加え肺結核の合併の可能性も否定できないという意見もあり、結局最終診断は紹介病院からの精査結果待ちとなった。また、AIDS患者に合併するサイトメガロ感染でも粒状陰影が目立つ症例があるという意見も追加された。
症例② 59歳 男性 喘息患者。右上葉に広がる索状影、結節様陰影、浸潤影あり。CT所見からはEP:好酸球性肺炎として矛盾なく、BAL液中の好酸球も48%と著増していた。Churg-Strauss症候群やANCA関連血管炎との鑑別や、喘息に合併する胸部異常などの臨床的な問題に関して討議がなされた。
症例③ 47歳 男性 膵臓癌の治療中の患者で、胸水と肺尖部の陳旧性結核病巣のみであったが、治療経過で右肺に浸潤影出現したが、その時には胸水は自然に消退していた。膵臓癌の肺転移は肺胞上皮癌と類似し炎症所見のような画像を呈することがり、この浸潤影も臨床情報から膵癌の転移を疑ったが、喀痰検査でGaffky8号と大量の結核菌が証明された。もう一度CT画像を検討すると一部に空洞形成を認めたが、二ボーを伴い、TBを積極的に画像所見から疑うことは困難な症例と思われた。また、自然に消退する胸水として、中皮腫が良く知られるが結核でも時に無治療で消失する例もあることがあり、注意が必要と考えられた。また本例のように陳旧性結核病巣の存在する担癌患者の化学療法中では結核の再燃の危険性を常に考慮することを忘れてはいけないことがとくに強調された。
症例④ 57歳 男性 数年前より胸部異常陰影を検診で指摘されていたが、精査は受けていない。今回、陰影の増加あり、胸部CTと気管支鏡が行われPAP肺胞蛋白症と診断された。胸部CT画像は定型的なPAPの所見の一つである、胸膜下に広がる帯状のすりガラス陰影が見られた。
症例⑤ 肩甲骨の外骨腫が肺野の結節影様にみられた症例。胸部CTが依頼され、3D処理にて外骨腫が肋骨と関節形成しているのがきれいに描出されていた。学生の健康診断の胸部間接撮影で時々見つけるが、肋骨の偽病変と異なり単純写真のみからでは診断は難しい。
症例⑥ 56歳 男性 以前にCPAで救急入院し救命された既往ある重喫煙者。呼吸音より中枢気道狭窄疑いCTが撮影され、声門部の強度の軟部影による狭窄を認めたが原因精査中で、前回入院時の挿管操作との関連なども考えられた。
セミナー・イベント
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