第517回呼吸器臨床談話会報告

人名の付く胸部疾患HP

呼吸器談話会のミニレクチャー当番であり、「胸部疾患領域における人名の付く疾患の画像所見」に関する講演を行ってきた。人名の付く疾患のリストは教科書の索引や聖マリ医大の栗原先生の助言でまとめてみました。日本画像医学会で講演しましたがその後あまり話す機会がないのでHPに公開いたします。興味ある方は上の「人名の・・・HP」をクリックして開いて何か勉強の参考にしていただけたら幸いです。

当日の提示された2例に関し簡単に解説する。

症例①69歳男性 39度台の発熱と呼吸苦あり。PaO253mmHgと著明な低酸素あり。胸部写真は肺野には異常ないが、胃泡の内側シフトあり脾腫の存在が示唆される。胸部CTも吸気・呼気が行われているが、細気管支病変等は否定的で特に呼吸苦の原因となる異常はなし。CTではLC等の所見ないが、著明な脾腫の存在が明らかである。肺野に換気障害等の異常を認めない低酸素血症より、慢性肺動脈血栓塞栓症、PTTMまたはIVLが鑑別にあがる。そのなかで脾腫を伴なうものはIVLのみであろう。IVLの肺病変はびまん性の淡いすりガス陰影の目立つものが報告されているが、早期であれば当然CTでは異常を認めない症例のほうが多いのは当然と考える。 勉強になった点は、皮膚生検はランダム生検でOKで、皮膚病変の無いところでも陽性になる!胸部CTがnegativeでもGaシンチやPETでは陽性の報告例はあること。肺病変が主体の症例は5%程度で、皮疹、認知症状・意識障害での発症が60~70%と多い。治療はR-CHOPが大変に有効である。

症例②70歳 女性 労作時息切れ 膿性痰 RAにて治療中の患者。RAに伴なう肺線維化と気管支拡張症あり。著明な縦隔肺門リンパ節腫大を単純写真およびCTで認める。MTX使用中で総投与量は3418mg。生検にてMTXassociated LPDと診断された。EBウイルス感染示唆するEB-ERは陽性であった。MTXの中止で、リンパ節腫大は自然退縮した。diffuse larage Bcell lymphomaが最多でHodgkinや LPI等の組織が多いとされるが、会場からも「病理ではリンパ腫といっても・・・本当は腫瘍性変化ではないのでは・・・?」という疑問の声も強かったです。

11.10.28に開催のイベント

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